天鏡株式会社 管理部 部長 鈴木 雅之

1.食品事業を守るためウイスキー事業を創業
天鏡株式会社は、食品スーパーを営む㈱リオン・ドールコーポレーションのグループ会社です。当時同社の取締役であった小池駿介は、日本の人口減少化においても、各店舗を存続させることで、地域のお客様のライフラインを守る事が出来ると考えておりました。これまで地域の皆様に支えて頂いた食品事業を存続させるには、将来グループ会社として、世界規模で事業を行えるような新たな事業体が必要と考え、ウイスキー事業を興しました。
創業者は、学生時代イギリスへ留学した際に、スコッチの魅力に惹かれました。アルコールは苦手でしたが、体質なのかウイスキーだけは飲める。蒸溜所ごとに異なるそれぞれのウイスキーの深い味わいと、スコッチの歴史、それぞれの蒸溜所の歴史を学びました。
2019年再びスコットランドを訪れ60以上の蒸溜所をまわり、各蒸溜所のオーナーや工場長に、日本でスコッチのような美味しいウイスキーを造りたい想いを熱心に伝え、現地からたくさんの事を学び、蒸溜所建設を決心いたしました。
蒸溜所建設地は、当初猪苗代湖がある猪苗代町でスタートしました。天鏡という会社名は、猪苗代湖の別名「天鏡湖」(天を映す鏡)から賜りました。猪苗代町での蒸溜所建設には、許認可等の様々な課題をクリアできず断念。2021年磐梯町にある栄川酒造株式会社がグループ会社となり、日本酒を継続しながら工場の一部をウイスキー蒸溜所とするべく、計画が再スタートしました。蒸留機は、本場スコッチの味わいに学び、スコットランドの地元で使用されているメーカーForsyths 社の蒸留機を採用しました。
設計図の計画は創業者が全て携わり、図面の校正だけでも19回実施されました。
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