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思い出の地盤工学(3) [シリーズ3回]

1・はじめに

地盤に係わることが面白いと感じていたので1981年に仕事として選んだのが大学の先輩が起業した建設コンサルタントでした。土質試験室での業務からスタートしました。ここでは,大学の実験実習を毎日やるようなことだったのですが,試験を行う試料が多種多様で時には海外の土質試料・岩石試料もあったのでこれもまた面白い業務でした。

その2年後には主に地震時液状化(土質動力学)を勉強するために当時東京大学生産技術研究所にいた龍岡文夫先生のところにお世話になり,東京湾横断道路計画に必要な豊浦砂や浅間山砂の繰返しねじりせん断試験と東京湾海底から採取した不攪乱粘土試料のねじりせん断試験などを行いました。

実務として地盤に関する業務の最初は1985年から1990年にかけて行った東京国際空港(羽田)の拡張工事と東京湾横断道路計画に関する調査・試験業務でした。1991年から2000年は、軽量盛土工法の設計,補強土工法の設計,地すべり調査・対策工立案,軟弱地盤解析,水文調査などの実務を行いました。2001年から2020年は、維持管理の時代となり、道路防災点検,モルタル吹付のり面の老朽化診断,トンネル点検・補修補強のための調査・対策工立案などがこれまでの業務に加わる形で多くなりました。

2.軟弱地盤関連業務

軟弱地盤に関連した業務は、主に東京湾で行われた盛土に関する業務です。東京国際空港(羽田)の拡張工事に関しては,沖積粘性土層の圧密沈下の問題と沖積砂質土層の液状化の問題でした。また、東京湾横断道路計画が浮上したことから東京湾に厚く堆積する沖積粘土の強度・変形特性に関する資料や知見が無かったのでこれらの把握に努めました。

図-1は、サンドコンパクションパイル(SCP)打設時の地盤の中の間隙水圧の上昇を測定した結果です。SCPの打設時には打設振動により間隙水圧が上昇し、その後間隙水圧は低下していることが分かります。この過程において砂質土地盤が密になります。

図-2では、このことを確認した結果を示しました。SCPの置換率asをas=9%,13%,20%,32%の4種行い、N値の変化を確認しました。N値の測定は、打設前と打設後及びSCP杭体の3回行いました。この結果、いずれの置換率においても打設前と打設後では打設後のN値が大きくなっていることがわかり、置換率が大きい方が大きくなる傾向にあることが分かりました。

図-1 SCP打設時の間隙水圧の上昇1)
図-2 SCP打設前後のN値の変化(置換率毎)1)

図-3には東京湾横断道路計画地の水深20mの海底面から深度40mまでの粘性土試料を乱さない状態で採取して湿潤密度試験を含む物理試験と一軸圧縮試験,圧密非排水三軸圧縮試験,圧密非排水三軸伸張試験,圧密非排水ねじりせん断試験及び標準圧密試験を行った結果を深度方向の強度特性の変化を示しました。この図の左側の湿潤密度は、深度18~20m付近から大きくなり、一軸圧縮強さ,三軸圧縮・伸張強度,ねじりせん断強度及び圧密降伏応力ともこの深度付近から大きくなる傾向が見られること、三軸伸張強度,一軸圧縮強さ,ねじりせん断強度,三軸圧縮強度の順に大きくなっており、応力誘導異方性のあることが分かりました。

図-3 東京湾粘土の深度方向の強度特性の変化2)

3.斜面対策業務

斜面対策業務には、切土のり面対策工法と急勾配盛土工法に関する業務が挙げられます。

写真-1は、火山灰質細粒土(沼沢しらす)が分布する地山を春先に切土したところ湧水が多く,切土斜面がガリー浸食した箇所の対策工をフリーフレームの中詰めに透水コンクリートを用いて湧水を排出させるとともにフリーフレームで斜面を押さえつける工法を用いました(写真-2)。完成が1996年ですので20年以上経過していますが現在も機能しています。

写真-3は、国立公園内における道路計画に際し,盛土区間において、緑化を行うこと、切土区間において発生土を国立公園内から搬出せずに盛土材料として用いることの条件で設計を行いました。 採用した工法は、ジオテキスタイルを使用した補強土壁工法3)で1:0.3の急勾配に盛土するものであり,盛土材料には切土区間の掘削土砂を用いました。また、この工法では壁面の緑化も行えました。この盛土の完成は1995年ですので今年で満25年になりますが現在も機能しています。

写真-4は、斜面下方に湖の有る急峻な斜面に道路を築造する計画の設計を行いました。この場合には、湖までの距離が無いこと,写真-3の現場に比べてさらに急峻であること,地盤の支持力が小さいことから湖側を直壁とし,斜面上に基礎を設置するため、超軽量なEPS(大型の発砲スチロールブロック:Ex-panded Poly-Styrol)を盛土材料として積み重ねる工法4)を採用しました。この盛土の完成も1995年ですので今年で満25年になりますが現在も機能しています。

写真-3 ジオテキスタイルを用いた補強土壁工法
写真-1 ガリー侵食著しい沼沢しらす斜面/写真-2 フリーフレーム+透水コンクリート/写真-4 EPSを用いた軽量盛土工法

4.地すべり対策業務

地すべり対策業務は、地元である福島県にUターンしてからの業務でした。福島県には多数の地すべり地が存在します。特に、地すべりが地下水位の上昇に伴って発生することは、これまで地盤力学の基礎となっている間隙水圧の問題として自分なりに捉えて業務にあたりました。

地すべりは、融雪時期や豪雨時に地下水位が上昇し,その結果、地すべりが発生したり,再滑動したりします。写真-5には融雪時期に発生した地すべりの滑落崖の状況を示しました。このような場合には、まず初めに地すべり対策工の基本である抑制工として地下水位低下工法を用います。図-4には地下水位の経時変化を示しました。青色の線が地下水位です。地すべりの安定計算の結果、地下水位を7.30mまで低下させておくことが出来ると安全率Fs=1.20を確保できます。この図において集水井を掘削した後に下段の集水ボーリング工を実施して地下水位を11m程度まで低下することが出来ました。この時の安全率はFS=1.4程度まで上昇することがわかります(図-5参照)。その後の維持管理において、地下水位が7.30mより上昇しないことを確認すること,地下水位が7.30mよりも上昇するようになった場合には水抜きボーリング孔内を洗浄することが必要となります。

写真-6には末端部に河川が流下している地すべり地の対策工として、抑止工の受圧板+アンカー工を設置した例を示しました。地すべり末端部に河川が流下している場合には、抑制工として地下水位低下工法を実施しても、河川の増水によって末端部が洗堀されて地すべりの再滑動が起きることになるからです。

写真-6 抑止工の例
写真-5 融雪時期に発生した地すべりの滑落崖状況/図-5 地下水位と安全率の関係
図-4 地下水位の経時変化

5.維持管理業務

維持管理業務は,1996(平成8)年くらいから道路防災点検が始まり、その後、落石点検,トンネル点検,モルタル吹付のり面の老朽化診断など社会資本の老朽化の問題とどのように維持管理を行っていくのかという問題が浮上してアセットマネジメント5)を行うことが言われだした2000年位から現在も行っている業務です。

写真-7,写真-8及び写真-9は、赤外線映像法によるモルタル吹付のり面の老朽化診断6)を行うために高所作業車を用いて可視画像と赤外線画像の撮影状況と可視画像及び赤外線画像を示したものです。

写真-10には赤外線画像の高温時から低温時の引いた差画像を図化したものを可視画像に張り付けたものを示しました。これが老朽化診断となります。

写真-11にはトンネル点検において覆工コンクリートに亀裂及び亀裂からの漏水が見られた箇所を示しました。トンネル点検をさらに進めると、亀裂は、斜め亀裂(せん断)だけではなく,湧水圧の作用による水平亀裂も確認されました。これらの変状は対策が必要と判断されました。このため,調査ボーリングを行い,湧水圧の低減のための水抜き孔の設置とロックボルトの増設などを行いました。

写真-7 高所作業車を用いた撮影状況/写真-8 モルタル吹付のり面の可視画像
写真-9 モルタル吹付のり面の赤外線画像(高温時)/写真-10 赤外線温度差画像と可視画像の解析結果
写真-11 道路トンネル覆工コンクリートの亀裂変状など

6.おわりに

1985年から現在(2020年)までの35年間に携わった地盤に係わる思い出深い業務を記しました。これまでに携わった業務を振り返ってみますと地盤力学が「有効応力の原理」に基づいていることを実感しながら業務を遂行しました。つまり、地盤の種々の問題には水が大きく関わっていることです。例えば、粘性土の圧密沈下,砂質土の液状化,斜面崩壊に誘因として関わる表流水・浸透水・湧水,豪雨後や融雪時期に地下水位の上昇に伴って生じる地すべり,湧水圧の作用によるトンネル覆工コンクリートの亀裂及び亀裂からの湧水などです。

このように、これまで携わってきた業務の大半に水及び地下水が関わっています。

<参考資料・文献 >

1)原 勝重・森 芳信:地盤の動的強度特性に及ぼすサンドコンパクションパイル打設の影響,
日本大学工学部紀要,第33巻,pp.31~47,1992年3月
2)Tatsuoka,F.and Hara,K.:Undrained shear strength of clay by torsional shear test, Proc.
of the 8th Asian Regional Conf. on SMFE,Vol.8,No.1,pp. 109~112,1987.
3)龍岡文夫:補強土工法-メカニズムと設計の基本-,東京大学生産技術研究所土質工学研究室, 1985年2月
4)EPS工法:発砲スチロール土木工法開発機構,理工図書株式会社,1993年2月1日
5)小林潔司:今後のアセットマネジメントのあり方,土木学会誌,第89巻第8号,p.46,2004年
6)赤外線映像法による吹付のり面老朽化診断マニュアル:(財)土木研究センター,1996年1月

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第2章 新協地水とSDGs
第3章 2021年2月13日 福島県沖地震被害状況について〈速報〉
第4章 福島県の湧水シリーズ いわき市の湧水を訪ねて・・・「久之浜湧水」
第5章 思い出の地盤工学(3) [シリーズ3回]
第6章 私の山紀行 第34回「残雪の稜線漫歩 安積山」
第7章 安達太良山の恵みと生酛造り「大七酒造株式会社(二本松市)」紹介
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